やまねこ式発達支援モデル

やまねこ式発達支援モデル|理論編 Ver.1.0
理論編
Ver.1.0
やまねこふくし創造舎グループ

やまねこ式
発達支援モデル

― 根拠のあるやさしさを、日々の支援へ ―
多機能事業所ここに / アルコイリス / iBLENDぴぃす / やまねこがみたそら

はじめに

やまねこふくし創造舎グループの支援は、単に「楽しく過ごす」ことだけを目的としていません。

子どもたちが、安心できる環境の中で、自分の気持ちに気づき、人との関わりを経験し、少しずつ社会の中で生きる力を育てていくことを大切にしています。

そのために、私たちは次の考え方を土台にします。

子どもを変える前に、環境を整える。
叱る前に、伝わる方法を考える。
できないことを責める前に、できる形を一緒に探す。

これが、やまねこ式発達支援モデルの出発点です。

法人理念とのつながり

やまねこふくし創造舎の理念は、

一人ひとりの個性が輝く
居心地の良い場所から
やさしさが巡る社会をつくる

です。

私たちは、子どもたちを「同じ形」に整えるのではありません。

その子らしさを大切にしながら、安心して人とつながる力を育てます。

やまねこ式発達支援モデルの基本定義

やまねこ式発達支援モデルとは、

子どもを社会に合わせる訓練ではなく、
子どもが安心して人とつながり、
自分らしく社会に参加する力を育てる支援

です。そのために、次の4つの柱を大切にします。

やまねこ式SSTの4つの柱

PILLAR 01

わかる

見通しがあると、子どもは安心します。何をするのか。どこで行うのか。いつ終わるのか。次に何があるのか。これらが分かることで、不安や混乱が減ります。

主な支援方法
  • スケジュール
  • 絵カード・写真カード
  • タイマー
  • 活動の手順表
  • 見えるルール
参考理論
  • TEACCH
  • 構造化支援
  • 視覚支援
TEACCHは、自閉スペクトラム症の人の学習特性に合わせ、環境や課題を構造化し、本人の自立・学習・参加を支える考え方です。
PILLAR 02

きづく

子どもたちは、自分の気持ちや相手の気持ちに気づく経験を重ねることで、人との関わり方を学びます。「うれしい」「かなしい」「くやしい」「こわい」「イライラする」。こうした気持ちを言葉やカードで表すことが、感情調整の第一歩になります。

主な支援方法
  • 気持ちカード
  • 絵本SST
  • ソーシャルストーリー
  • ふわふわ・チクチク言葉
  • 振り返り
参考理論
  • SEL
  • ソーシャルストーリー
  • 感情教育
SELは、自己理解・自己管理・社会的認識・人間関係スキル・責任ある意思決定などを育てる考え方です(CASEL)。
PILLAR 03

やってみる

子どもは、説明だけでは社会性を身につけません。実際にやってみる。失敗してみる。もう一度試してみる。できた経験を重ねる。この体験の中で、社会性が育ちます。

主な支援方法
  • アナログゲーム療育
  • ロールプレイ
  • 集団・創作活動
  • 音楽活動
  • 自然体験
参考理論
  • 遊びを通した発達支援
  • SEL
  • ABA
  • PBS
育つ力
順番を待つ
ルールを守る
負けを受け入れる
友達と相談する
助けを求める
感情を調整する
PILLAR 04

つながる

SSTの最終目的は、上手にふるまうことではありません。人とつながることです。友達と遊べた。職員に助けを求められた。ありがとうと言えた。こうした小さな経験が、子どもの自己肯定感を育てます。

主な支援方法
  • 友達との協力活動
  • 地域交流
  • 保護者との共有
  • 学校・相談支援・医療との連携
  • 成功体験の記録
参考理論
  • PBS / PBIS
  • SEL
  • 発達心理学
  • 地域生活支援
PBISは、問題行動への対応だけでなく、環境や支援体制を整え、社会的・感情的・行動面の支援を行う多層的な枠組みです。

参考理論とやまねこの実践

参考理論・メソッド やまねこの実践
TEACCHスケジュール、絵カード、構造化、見通し支援
視覚支援写真カード、タイマー、手順表、見えるルール
SEL気持ちカード、振り返り、友達との関わり
ソーシャルストーリー絵本SST、場面理解、相手の気持ちを考える活動
PBS / PBIS叱る前に環境を整える、望ましい行動を育てる
ABA行動の前後を見て、支援方法を調整する
遊びを通した発達支援アナログゲーム、創作、音楽、自然体験
発達心理学年齢や発達段階に応じた支援

大切にする職員の視点

VIEW 01
行動だけを見ない
叩いた。泣いた。怒った。参加しなかった。その行動だけを見るのではなく、なぜそうなったのかを考えます。
VIEW 02
困った子ではなく、困っている子と見る
子どもの行動は、本人からのサインです。分からない。不安。疲れた。伝えられない。そのサインを読み取ることが支援です。
VIEW 03
できる形に変える
できないから終わりではありません。時間を短くする、選択肢を減らす、見本を見せる、絵カードを使う。支援者が工夫することで、できる形に近づけます。
VIEW 04
成功体験を記録する
今日は座れた。順番を待てた。ありがとうと言えた。この小さな変化を記録し、次の支援につなげます。

4事業所での展開

多機能事業所ここに
重度障害、医療的ケア、特別支援学校児童など、一人ひとりの特性に応じて、視覚支援と安心できる環境づくりを重視する。
アルコイリス
自然体験、創作活動、ICT、SSTを通して、子どもの興味関心から人との関わりを広げる。
iBLENDぴぃす
アナログゲーム療育、音楽療法、絵本を活用し、発達グレーゾーンの児童が楽しみながら社会性を育てる。
やまねこがみたそら
身体障害、重症心身障害、医療的ケア児等に対し、安心・安全を土台に、表現、参加、人とのつながりを支援する。

やまねこ式発達支援モデルのまとめ

やまねこ式発達支援モデルは、

わかる
きづく
やってみる
つながる

の4つの柱で構成されます。これは、単なる活動メニューではありません。

子どもたちが安心して過ごし、自分の気持ちに気づき、人との関わりを経験し、社会の中で自分らしく生きていくための支援モデルです。

職員へのメッセージ

私たちの支援は、子どもを急がせるものではありません。

その子の歩幅を見つめ、
その子の分かり方に合わせ、
その子の気持ちに寄り添い、
その子が少し前に進める環境をつくることです。

根拠のある支援と、あたたかいまなざし。

その両方を大切にすることが、やまねこ式発達支援です。

一般社団法人やまねこふくし創造舎

参考資料・理論

  • TEACCH Autism Program
  • Structured Teaching / 構造化支援
  • CASEL SEL Framework
  • Carol Gray Social Stories
  • Positive Behavioral Interventions and Supports (PBIS)
  • 応用行動分析 ABA
  • 発達心理学
  • 遊びを通した発達支援

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